博士の独り言

ー極・現代竜人社会ー

 

遠い宇宙の銀河のどこか、竜だけが存在、繁栄している星で

超古代ドラゴン文明から発展した、知性を持つ“竜人”達が主導する文明が存在するらしい。

そこでは、創世竜アルケイオスのウロコから生まれた、竜を起点とする種族たちが暮らしている という・・・

その社会文明は我々の人間社会と似通っており、

竜人達は2本の足で歩き、服を着て言葉を発し、車やバイクに乗り、会社や学校へ通う。

真面目な会社員のような社会の歯車もいれば、反社会勢力的な不良もいる。

まるで恐竜が滅ばずにそのまま人へと進化したような世界だそうだ。

ひとまずこれを、「極・現代竜人社会」と名付ける事にした。

 

ードラリウムとはー

ドラゴン専用研究設備それがドラリウムだ。

アクアリウムやテラリウムのような環境を個々のドラゴン専用に調整したものである。

だがしかし、大抵のドラゴンは巨大すぎて管理が難しい。

そこで。“特殊生命記録板”に彼らを封印して、周りの環境に接続するのである!

 

環境設備もまた、特殊生命記録板によって再構築する。

たとえば、海を再現するなら、海藻や貝がら、水などを情報として記録板に収め、

記録板同士をつなぎ合わせることで再現する。さらにそれらをドラゴンを封印した記録板へと接続することで完成される。

この、環境が封印された記録板からドラゴンが封印された記録板に酸素や栄養素などを送りつづけることで、

仮死状態になったドラゴンを生きながらえさせ、長く研究することができる仕組みだ。

 

接続に使うケーブルにはライトのあるものを使用し、エネルギーの送る速さや量を視覚的に確認することができる。

ちなみに、リヴァイアサンのドラリウムが今のところ唯一の成功例である。

この研究がドラゴンの謎の解明につながることを祈ろう…

 

 

ー幼体リヴァイアサン研究日誌ー

2017年7月某日

 

我々は某国の深海にて

リヴァイアサンの幼体に遭遇し、

捕獲に成功した。

 

“特殊生物記録板”にその命を封じ込め、

半仮死状態にした彼を

研究所にて培養観察しているそうだ。

海神の末裔である彼に適した環境を

用意するのに苦労したとか。

ドラゴンの観察と培養を行なう研究設備=ドラリウム

とでも名付けようか…

 

封印されてもなお憎らしい笑顔を向け、

この状況に抗う彼には

研究員たちも手を焼いているようだ…

その純粋さに少々心が痛む。

 

だがしかし。

“超常生命体DRAGON”の生態の謎に迫るには

いたしかたのない事なのだ…

いつ飛び出してくるかわからないので

要注意だ。冷凍温度を2度程下げるとしよう。

もう数日ばかり我慢してくれ。